Cervelo S3 2014/15 Unboxing 4:BB and Cable Routings

Some Photographs and Caption about Cervelo S3 2014/2015 BB and Cable Routings.

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Side view of FSA B3155 PF30 BB, with 6806-2RS Bearings.

Cervelo S3付属のBBについては、国内代理店である東商会のWebサイトや同社発行のカタログによると、Rotor製のPF30タイプがついてくるとの表記があったのだが、届いた内容物を確認すると、代わりにFSAのPF30タイプであるB3155が入っていた。 以下参考URL。

http://www.eastwood.co.jp/lineup/cervelo/new_s3.html

へ?CerveloってBBRightであって、PF30では無いんじゃ、と思う人もいるかと思うが、シェル幅が79mmのBBRightと68/73mmのPF30はフレーム側のBBユニットを受け入れる側の内径が同じ46mmなので、B3155の様な左右分割で嵌め合わせているだけのタイプや、内側のスリーブ幅を可変対応できるものなら一部互換性がある。 そういう意味では、幅86.5mmならBB386となるし、61mmならOSBBな訳で、30mm軸クランクを使う規格としてこれらは兄弟関係にある。

なお、後述する理由により今回は使用しないこともあって、カタログ表記と実物が違う件については、特に販社やメーカーに追求していない。 BB本体は樹脂製のシェルに軸内径30mmのベアリングである6806-2RSがセットされた、30mmクランク対応系BB規格ではお馴染みの仕上がり。

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FSA B3155 PF30 BB set. Weight was about 80g.

このBBセット一式の重量は約80g。BB30/PF30を始めとして、一部のBBやクランクセットではよく目にするベアリングカバーや、BBのベアリングとクランクセットの左右結合による玉押し加減を調整するためのスペーサーやウェーブワッシャー等が付属する。

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FSA B3155 PF30 BB take apart.

BBは左右でそれぞれ分割されており、圧入時には内径差のあるお互いのスリーブが重なって出来た筒が左右ベアリングカップ間のスリーブとなるが、スレッド等によるネジ込みはない為、左右ベアリングカップを結合するものではない構造。 スリーブ部分がチープな質感の樹脂製なので、見た目によるネガティブなバイアスも強く掛かっていることは否定しないが、全く作りの良さが感じられない。 Shimanoとかの24mm軸径BBに対して、ベアリングのデカさのインパクトだけが命の様な佇まい。 ただ、外見の多くは圧入してしまえば目にしなくなる部分なので、それは良いとしても、問題なのはスリーブが単に重なっているだけで、各カップ単独で個別に固定されることによるフレーム側との固定力不足や、クランク軸の回転抵抗にも影響するベアリング穴の軸線統一化は図られないこと等、BB30やPress Fit系BBでよく話題に上る、BB周りの異音発生にも繋がる可能性をはらんでいること。 ということで、なるべくカチカチ鳴く目に遭わない様、今回は別のBBを使用する。 これについては別記事で。

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S3 has inner cable routing system, called as Future-Proof Cable Management. It’s selectable grommet by wire/electric/hydraulic system compatible, also It has a huge hole at under BB shell block, It’s easy to maintenance. (e.g. re-wiring without remove BB)

さて、このフレームの地味にすごいなぁと思う所。上の写真はBB下にあるやや大きめのグロメットというか、メンテナンスハッチと呼んでいいぐらいの大きさのフタを取り去った状態のもの。※1 これ大丈夫かと思うぐらいポッカリと空いた大きな穴の中には、円筒形の「本当」のBBシェルが見えている。 つまり、見た目の形にぎっしり身が詰まっているわけではなく、内径46mmの円筒シェルがBB部の本体で、その周りを内外で大きく囲みつつ、フレームを構成する他のチューブにラインが繋がっていく、フレーム形状としてのシェル(殻)が別にあるという感じ。

※1 この写真の形をボーっと見ていたら、魔夜峰央の「パタリロ」に登場するタマネギ部隊の口を思い出した。 BBRightのロゴのBを目に見立てれば、菱型の口がだんだん見えてくる……のは、疲れてる証拠だろうか。

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View through from huge hole at under BB to head tube side, very clear and showing “Aero shape” of down tube.

この穴にレンズを密着させて、ダウンチューブの中を撮影してみたのが、上の写真。写真右方向が本来のフロント側。 明るく見えているのはヘッドチューブに差し込んでいる光。 明るい部分の形から、流線型的な楕円形状のダウンチューブ上側の形が想像できる。 突起物の様に見えるのは、ダウンチューブ上部の左右に有る、シフト用ケーブル内装用の穴に嵌っているグロメット。 見ての通り、ダウンチューブ内部も非常に余裕がある上、ケーブルの入口と出口が把握しやすい位置関係になっていることと、前述の様にこの穴部分とBBユニット部は、内部シェルによって完全隔離されているため、ケーブル内装型のフレームでよく言われる、ワイヤーやケーブルの交換がものすごく面倒くさいとか、ワイヤリングの度にクランクやBBをバラして云々という問題は、ことダウンチューブ周りに関しては安心して良いと思われる。

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Grommet for wire cable routing(081R0306). weight was 8g.
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Grommet for Electric cable(081R0371) under BB. It’s rubber material and use for cable from Di2/EPS outer battery mount under down tube. Weight was 5g.

 

前述の大穴のフタは2種類付属し、ワイヤーによる機械式シフトならばケーブルガイドが2本分ついた上のフタ(裏面の表記コード(パーツNoか)は081R0306)で、樹脂製の8g。Di2/EPS等の電動式シフトならばダウンチューブ下の外部バッテリからの電線を通す穴のついた下のフタ(コードは081R0371)で、こちらはラバー製の5g。

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some type of grommet for cable hole.

下の「大穴」以外で内装用に使用するグロメット類も用途に合わせて数種類付属している。1つあたりの重量的には1gあるかないかぐらい。

One Comment

  1. 2016-01-16
    Reply

    下記のようなコメントを画像リンクに対して頂いたので、こちらで内容を拾い直した上で返答致します。

    以下通りすがりの者氏のコメント:
    質問させてください。FSA B3155 PF30 BB, use 6806-2RS Bearingをロードバイクから取り外す方法を教えていただけないでしょうか。工具としてはパークツールRT-1で良いでしょうか。HOZANのBBT-30.3では無理でした。

    ここまで

    以下、通りすがりの者 への返信

    コメントいただきありがとうございます。
    一応お約束で恐縮ですが、やりようによっては、フレーム側シェルにダメージを与える可能性もあることから、以下は参考意見としてお読みいただき、実行される場合は自己責任でお願い致しますと共に、不安要素があれば、プロのメカニックやショップに作業を依頼することをオススメします。

    BBT-30.3でのB3155というか、スリーブ部分が狭いPF30モジュールの叩き出しについてですが、ベアリングの内側サイドにBBT-30.3のT字部分を当てる為に反対側から通す際に、内部で重なっている左右からのスリーブ内径が狭い為にするっとセットできない状況が発生します。これについては、Parktoolの公式サイトでもわざわざFSA製のものは……と触れられていて、”push the foot through the sleeve until it contacts the opposite side bearing adaptor.”※1と、なかなかワイルドな作業指示が書いてあります。また、一方でFSAの公式動画でもこの組み合わせと思われる作業手順紹介があります。※2

    仮にDS側からのスリーブが内側(=内径狭い方)だとした場合、NDS側のベアリング穴からT字部分を斜めにしながら入れた後、DS側のベアリングの裏(当てるべき所)に行くまでのスリーブで先に進まなくなってしまうというわけです。

    で、前述の指示では当たるまで押し込んで行けと書いてるわけで、可能な範囲でT字部分を斜め気味にする等の工夫を加えつつ、NDS側から慎重に押し込んでいき、ベアリング裏にT字部が当たってから叩き出す必要があると思います。ただし、押し込み時に過度な力を加えると、フレーム側シェル、特に金属製ではないシェルの場合には、ダメージを与える可能性も有り得るので注意が必要かと思います。

    ただ、スリーブ内側を担当していたベアリングカップが外れれば、もう片方は普通に反対側からベアリング裏にT字部分を当てられると思います。

    いずれにしても、もしご自分でチャレンジされるなら、愛車のクランクを外された後のベアリング穴左右から、内部のスリーブの噛み合い方を観察し、内側スリーブを担当している側のベアリングカップがどちらかを確認した上で、どちら側からBBT-30.3を入れていき、どこに当たらなければならないのか等の段取りをした上で慎重にやってみるのはどうでしょうか。

    また、RT-1でも同様の叩き出しができますし、こちらはベアリング裏に当てる部分がすぼまる構造な上、叩きだす側からの挿入なので通しやすいとは思いますが、BBT-30.3のような叩く際の軸ブレを防ぐガイドがないので、斜めに叩かない様注意が必要かと思います。工具自体の金額もけして安くはありませんが、本人が納得されるなら工具の買い増し検討もアリかと思います。

    最後に、叩き出しは力加減とか圧入時にスレッドロッカーを併用しているかとかで出しやすさが変わりますし、これでいいのか的な要素が常に付きまとうことが多いかと思います。こうした部分に不安を感じられるなら無理はされないことを再度オススメしておきます。

    以上取り急ぎ参考になれば幸いです。

    以下引用元

    ※1:Parktoolの公式ドキュメントより引用 http://www.parktool.com/blog/repair-help/bottom-bracket-service-pf30#article-section-2
    ※2:FSA公式動画の3:23秒辺りから https://m.youtube.com/watch?v=WNSh-x_xHeY

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